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【プレスリリース】「DTxの円滑な利活用を巡る課題と認知向上に向けた施策」レポートを発出
~生活者・医療従事者・事業者それぞれの視点から、DTx普及に向けた課題と解決策を提示~

2025.09.03

 日本デジタルヘルス・アライアンス(以下「JaDHA」)は、デジタルセラピューティクス(以下「DTx」)の円滑な利活用を巡る課題の明確化と認知向上に向けた施策の提言を目的に、様々な調査研究を実施しました。この度、その結果を調査レポートとしてまとめましたので公表します。

 DTxは、疾患の予防、管理、治療を目的とする新たな治療手法として注目を集めているプログラム医療機器です。従来の医薬品や医療機器とは異なり最先端のデジタル技術が活用されている点が特長であり、生活習慣病、メンタルヘルス、その他慢性疾患における新たな治療選択肢として大きな可能性を秘めています。一方で、DTxに関する生活者・医療従事者の認知は低く、医療機関でDTxを導入する際の手続きや運用の煩雑さが指摘される等、円滑な利活用を巡る課題が多く存在します。

 本レポートは、「WG3:デジタル医療サービスの円滑な利活用に向けた基幹プラットフォーム構築 検討WG」において実施したアンケートやインタビュー調査等をもとに、生活者・医療従事者・事業者それぞれの視点で、DTxの認知や利活用を巡る現状と課題を整理したものです。更に、調査結果を踏まえ、DTx のさらなる普及と円滑な利活用の促進に向け、認知向上に必要な施策を提言しています。

 本レポートは、以下からご覧になれます。

 JaDHAでは今後も、オープンな情報発信と業界内外の対話を通じて、デジタルヘルス産業の発展に寄与してまいります。

本レポートの概要

①DTxの概要と代表的なプロダクトの紹介
 DTxは、疾患の予防・治療・管理を目的としたプログラム医療機器です。国内では高血圧治療補助、飲酒量低減治療補助やADHD治療補助アプリが製造販売承認され、臨床試験で有効性が確認された新たな治療選択肢として注目されています。本章ではDTxについて概説すると共に、国内で製造販売承認を取得したDTx製品事例を紹介しています。

②DTxが普及することの生活者にとっての価値
 DTxを用いることで、日常生活下での治療継続を支援し、個別化介入や患者教育、医療アクセス向上の実現が期待できます。また、データの可視化による早期対応や費用対効果改善が期待され、患者のQOL向上と医療全体の効率化に貢献することが期待できます。本章ではDTxの臨床上の有用性に加え、DTxが生活者や医療従事者にもたらす便益を解説しています。

③DTxの開発と規制の動向
 国内外でDTxの承認事例が増加し、国内治験実施数は20以上となりメンタルヘルスや生活習慣病など幅広い領域で開発が活発化しています。また、規制当局による二段階承認制度や優先審査制度など開発促進に資する様々な規制改革が進展しています。本章では、本邦におけるDTxの開発動向を解説すると共に、DTxに関する国内の規制の動向について解説しています。

④DTxの円滑な利活用に向けた課題
 多種多様なDTxの開発が急速に進展する一方、生活者・医療従事者双方の認知不足、医療機関における導入や運用の煩雑さ、データ管理ルールの未整備などが普及の障壁として指摘されています。本章では、円滑な利活用を巡るJaDHA会員の課題認識を紹介すると共に、DTxに関する生活者及び医療従事者の認知度の実態に関する調査結果を解説しています。

⑤認知向上の施策の必要性と目指す世界観
 DTxが有用な治療選択肢の一つとして受け入れられ、より円滑に利活用される社会の実現には、生活者の認知向上・啓発と医療従事者の理解促進を両輪とし、適正使用を支える環境構築を進めることが不可欠です。本章では、認知向上施策の必要性を解説すると共に、特に円滑な利活用に向け重要な役割を担う医療従事者について、積極的にDTxを診療に取り入れる医師の姿やそれらの医師により達成される望ましい世界観を提案しています。

⑥DTxの認知形成に対する取り組み
 DTxに対する正しい認知形成には、至適症例や有効性・安全性をわかりやすく伝えるための事例の発信、体験機会の提供、医療従事者の研修や広報活動等の様々な施策が必要です。また、産官学の連携で理解の促進や導入・運用面を含めた課題の解決によりDTxの利便性向上を図り、社会全体としての認知及び受容性の向上を目指すことが不可欠です。本章では、認知形成に向けたあるべき施策を整理しつつ、JaDHAの活動実績を紹介しながら、JaDHAとしての中長期的な達成目標や活動方針を紹介しています。

本レポートの検討体制

 本レポートは、JaDHAの「WG3:デジタル医療サービスの円滑な利活用に向けた基幹プラットフォーム構築 検討WG」(以下「本WG」)にて策定しました。本WGは、ベンチャー企業、医薬品企業、IT企業等、デジタルヘルス領域に関わる幅広い業種業態の企業で構成されています。

検討体制(五十音順)

お問い合わせ先

【報道関係者様】 JaDHA事務局(南雲)UN_6001.group@jri.co.jp
【事業者様・協業希望】WGリーダー(松尾) keitaro.matsuo@asken.inc
※入会に関するお問い合わせはJaDHAホームページ(https://jadha.jp/admission/index.html)をご覧ください。

ご入会お待ちしております